自分のPCで動く音声合成・テキスト読み上げ
SuperClonicaは、一般的なCPUで動くオープンな音声合成モデルSupertonic 3向けの音声カタログと、同じ音声をより速く動かすSuperClonicaエンジンです。音声はJSONファイル1つ。一度ダウンロードすれば、テキスト読み上げは手元のPCで完結します。テキストがサーバーに送られることはなく、インターネットが切れても音声合成は止まりません。
このページでは、ローカルTTSの仕組み、速度、無料で使える範囲、特定の録音に近い音声を手に入れる方法、そしてクラウドサービスや大型モデルのほうが向いているケースをまとめます。
Supertonic 3によるローカル音声合成の仕組み
Supertonic 3はSupertoneが公開しているオープンウェイトのモデルで、パラメータ数は約9900万です。ONNX Runtimeで動作し、開発元によるとGPUは不要です。日本語、英語、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など31言語に対応しています。中国語にはまだ対応していません。
音声ファイルに入っているのは声のプロファイルだけです。音声を生成するには、エンジン(Supertonic 3の標準クライアントまたはSuperClonica)と約400MBのベースモデルも必要です。インストール時にはネット接続が要りますが、その後の音声合成はローカルで行われます。
- PC:Windows、macOS、LinuxのCPUで動作。
- ブラウザ:ONNX Runtime WebでWebアプリに組み込み。
- モバイル:対応するアプリに組み込み。
- 自社製品:ゲーム、ボット、自社サーバー上のサービス。
CPUでのテキスト読み上げの速度
Supertoneは、16スレッドのCPUでSupertonic 3のリアルタイム係数(RTF)を0.20と公表しています。1秒の音声を0.2秒で生成できるという意味です。Ryzen 7 7800X3Dクラスの8コアのデスクトップCPUでは、Supertonic 3がリアルタイムの4〜6倍速、SuperClonicaが6.4〜9.7倍速と当社は見積もっています。10秒の文なら約1.0〜1.6秒で生成できます。
エンジンの高速化は実測値です。同じ設定で比べると、Supertonic 3に対してCPU(Ryzen 7 5800X)で平均61%、GPU(RTX 5070 Ti)で平均73%速くなりました。単語間の無音にノイズが乗らず、文末もきれいに収まります。長いテキストは短く区切って読み上げるため、繰り返しや途切れも減ります。Supertonic 3の音声ファイルは変換なしでそのまま使えます。
既製の音声、無料の音声、録音からのボイスクローン
カタログには、ゲームキャラクター、ナレーター、会話向けなど、個人の作者が作った音声が並び、どれもデモを試聴できます。価格は作者が米ドルで設定し、無料の音声もあります。購入した音声は自分のプロジェクトで使うためのもので、転売はできません。
特定の録音に近い声が欲しい場合は、方法が2つあります。どちらもクラウドの即時クローンより時間はかかりますが、出来上がるのはどこでも高速に動くファイルです。録音は、権利を持っていて本人の同意があるものだけを使ってください。
- 依頼する:参考音声をアップロードし、声のイメージと予算を伝えます。作者から提案が届き、結果を承認するまで予算は残高で確保されます。
- 自分で無料で学習する:5〜10秒のクリアな録音と正確な書き起こしを用意し、NVIDIA GPUを積んだ自分のPCをワーカーとして接続。チェックポイントを聴き比べ、JSONは無料でダウンロードできます。
- 学習した音声を販売する:カバー画像、説明、価格を設定するだけです。売上は手数料を差し引いて米ドル残高に入ります。
ローカルTTSか、クラウドの音声合成か
ElevenLabsのようなクラウドサービスは、自社サーバーで音声を生成します。Webアプリ、API、手軽なボイスクローン、多くの言語がそろい、インストールも不要です。その代わり、テキストは毎回ネットワークを通り、利用量はプランで管理され、オフラインでは使えません。
ローカルの音声ファイルなら逆です。テキストは端末から出ず、通信の往復もなく、文字数を数えられることもありません。その代わり、セットアップの手間がかかり、モデルも控えめです。対応は31言語で中国語はなく、感情表現の制御も少なめです。
当社の比較表では、Fish Audio S2 Pro、OmniVoice、VoxCPM 2が同等以上の品質評価を得ており、対応言語も多くなっています。ただし当社の見積もりでは、デスクトップCPUではリアルタイムより2〜10倍遅くなります。
ローカルのテキスト読み上げが向いている人
主な利用者は次のような方々です。
- プレイヤーのPC上でNPCのセリフを生成したいゲーム開発者。
- ノートPCで長い原稿を読み上げさせる動画クリエイターやオーディオブックのナレーター。
- ブラウザやGPUのないサーバーで音声を出したい開発者。
- 社内ネットワークの外に文書を出せないチーム。
- 音声を学習して販売したり、依頼を受けたりする作者。
アカウントと支払い
ログインはGitHubで行い、身分証や電話番号は不要です。支払いは暗号資産で、残高は米ドルで管理されます。クレジットカード情報を受け取ることはありません。
SuperClonicaと他のTTSモデルの比較
当社の比較表では、品質、CPUでの速度、声色の安定性、対応言語を評価しています。星の数と速度はデスクトップCPUを想定したおおまかな見積もりで、実測値ではありません。
- Fish Audio S2 Pro:品質評価は最高、80以上の言語。CPUではリアルタイムより4〜10倍遅い。
- Qwen3-TTS:中国語と3秒でのボイスクローンに対応。10秒の音声に10〜20秒(0.6B)。
- OmniVoice:600以上の言語。リアルタイムより2〜5倍遅い。
- VoxCPM 2:30言語、48kHz出力。リアルタイムより2〜4倍遅い。
- F5-TTS:中国語と英語でゼロショットのボイスクローン。リアルタイムより5〜15倍遅い。