ろう者・難聴者のための音声読み上げ
多くのろう者・難聴者は、手話、筆談、字幕、自分の声などで会話し、場面に合わせて使い分けています。音声読み上げはもう1つの選択肢を加えます。文字を打てば、スマートフォンが目の前の相手や通話相手に向けて声で伝えます。字幕はその逆で、相手の話を文字にします。
このガイドでは、AppleとGoogleのヘルプをもとにスマートフォンに組み込まれた「打って話す」機能をまとめ、好きな声で日常のフレーズを音声として用意する方法を紹介します。
iPhone・iPad・Mac・Apple Watchのライブスピーチ
Appleのライブスピーチ(Live Speech)は「設定」の「アクセシビリティ」から「ライブスピーチ」でオンにします。iPhoneとiPadではサイドボタンのトリプルクリックか、アクセシビリティのショートカットで開き、Macではメニューバーにあります。入力した内容は対面ではデバイスから読み上げられ、電話やFaceTimeの通話では相手側で聞こえます。よく使うフレーズを保存でき、システムの声や自分で作ったパーソナルボイスを選べ、iPhoneとiPadでは高さと速さも調整できます。Appleによると、iOS 17以降、iPhone XS以降が対象です。
AndroidのLive Transcribe
GoogleのLive Transcribe(自動文字起こし)は、周囲の話し声や音を画面に文字で表示します。返事をするにはTypeをタップしてメッセージを入力し、Read aloudをタップするとスマートフォンのスピーカーから読み上げられます。Android 12以降では、複数の言語をオフライン用にダウンロードできます。
定型フレーズを音声で用意する
注文、病院の受付、自己紹介、筆談のお願いなど、よくある場面のために、いくつかのフレーズを音声ファイルにしておき、ワンタップで流しましょう。各ページで30〜100文字の一文を入れれば無料で声を試してダウンロードでき、無料のエンジンならオフラインでまとめて作れます:superclonica --text "Hi, I am deaf. Please type on my phone or speak slowly." --voice voice.json --lang ja --output hello.mp3(テキストは日本語のセリフに)。5〜10秒の録音からスタジオで自分の声を学習させることもできます。
打って話すときのコツ
短い文のほうが長い文より聞き取りやすくなります。大事なことを先に書き、声が名前を読み間違えるときは発音どおりに書きましょう。騒がしい場所では、スマートフォンを相手に近づけるか、画面も見せましょう。
選ぶのはあなた
音声読み上げは、手話、通訳者、電話リレーサービス、字幕の代わりにはなりません。合うときに選べる道具の1つです。ろう者・難聴者と働くなら、決めつけずに、どんな方法で話すのがよいかを本人に聞きましょう。