モデルの比較

Coqui XTTS-v2とSuperClonica:Coqui TTSの代替として

XTTS-v2は、Coquiがオープンソースのライブラリ「Coqui TTS」とともに公開したボイスクローンモデルです。短い参考音声から、その声で日本語を含む17言語を話し、ある言語の声を別の言語に持ち込むこともできます。

いまこれをもとに何かを作るなら、知っておくべき点が2つあります。元のリポジトリcoqui-ai/TTSはもうメンテナンスされておらず、XTTSの重みのライセンスは商用利用を認めていません。Coqui TTSの代替を探している方に向けて、SuperClonicaとの違いをまとめました。XTTSは当社の比較表に入っていないため、速度や品質の評価は載せていません。

XTTS-v2でできること

XTTS-v2は数秒の音声で声をクローンします。モデルカードでは6秒、ドキュメントでは3秒とされています。対応言語は英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ポーランド語、トルコ語、ロシア語、オランダ語、チェコ語、アラビア語、中国語、日本語、ハンガリー語、韓国語、ヒンディー語で、出力は24 kHz、参考音声の感情や話し方も引き継ぎます。

ストリーミングにも対応し、作者は200 ms未満の遅延をうたっていますが、ハードウェアは明記されていません。ドキュメントの例はCUDAで動かしており、追加学習用のコードも含まれます。

XTTSのライセンス:商用利用ができない理由

XTTS-v2の重みはCoqui Public Model Licenseです。認められるのは非商用利用だけで、対象はモデルだけでなく生成した音声にも及びます。モデルやその出力によって直接・間接に報酬を得た時点で、ライセンスの範囲外になります。企業が使えるのは、テスト、評価、非商用の研究に限られます。

Coqui TTSのコード自体はMPL-2.0なので、問題はコードではなく重みです。Supertonic 3はOpenRAIL-Mで、非商用条項ではなく禁止用途のリストを定めた無償のライセンスです。SuperClonicaで購入した音声は自分のプロジェクト用で、転売はできません。

Coqui TTSの現状

元のリポジトリcoqui-ai/TTSはメンテナンスされていません。Idiapがフォークを保守しており、PyPIではcoqui-ttsとして公開され、Linux・macOS・Windows向けのビルド済みパッケージや、クローンした声のキャッシュなどの新機能が加わっています。XTTS-v2の重みとライセンスは変わっていません。

毎回クローンするか、学習済みの音声ファイルか

XTTSはリクエストのたびに参考音声から声を組み立て直すので、結果は渡す音声に左右されます。SuperClonicaは声を一度だけSupertonic 3のファイルに学習させます。必要なのは正確な書き起こし付きの5〜10秒のきれいな録音と自分のNVIDIA GPUで、料金はかかりません。作者に依頼したり、カタログから選んだりもできます。

できたファイルは普通のCPUでオフラインで動きます。当社の見積もりでは、SuperClonicaは8コアのデスクトップCPUでリアルタイムの6.4〜9.7倍速で、10秒の文なら約1.0〜1.6秒です。

XTTS-v2を選ぶべき場面

収益化するプロジェクト、GPUのないPC、声をファイルとして手元に残したい場合はSuperClonicaを選んでください。XTTS-v2は次のような場合にまだ合っています。

  • 非商用ライセンスが問題にならない個人・研究・趣味のプロジェクト。
  • 学習なしで、数秒の音声からすぐにクローンしたい。
  • Supertonic 3がまだ対応していない中国語の音声。
  • Coqui TTSライブラリの上にすでに組んだ処理の流れ。