VoxCPM 2とSuperClonica:スタジオ品質か、CPUでの速度か
OpenBMBのVoxCPM 2は、2026年4月に公開された20億パラメータの音声合成モデルです。48kHzで出力し、30言語を話し、声のクローンもテキストの説明からの新しい声の作成もこなし、すべてApache 2.0で公開されています。SuperClonicaが動かすSupertonic 3はおよそ20分の1の大きさなので、CPUではずっと速い反面、できることは限られます。
以下は、VoxCPMのドキュメントと当社の比較表にもとづく比較です。
VoxCPM 2でできること
VoxCPMはトークナイザーを使わず、MiniCPM-4をベースにした拡散自己回帰型のパイプラインで、音声VAEの潜在空間上で音声を生成します。
- 言語タグなしで30言語。広東語や四川語など中国語の方言9種にも対応。
- 16kHzの参考音声から48kHzで出力。超解像を内蔵。
- 自然文の説明からのボイスデザインと、制御可能なクローン。
- 参考音声と書き起こしを使った忠実なクローン。
- 重みとコードはApache 2.0。開発元は商用利用も無料と明記しています。
CPUとGPUでのVoxCPM 2
開発元によると、RTX 4090でのRTFは約0.3、Nano-vLLMを使うと約0.13で、必要なVRAMは約8GBです。Apple M4 Proでllama.cpp-omniとQ8_0の重みを使った場合は約1.76です。
8コアのデスクトップCPUでは、リアルタイムより2〜4倍遅いと当社は見積もっています。10秒の文に20〜40秒です。出発点は、Core i3-12300でINT8重みのRTFが3.8というONNX版の報告で、より速いCPUでも最大2倍速と仮定しました。SuperClonicaはリアルタイムの6.4〜9.7倍速、同じ文で約1.0〜1.6秒です。
品質と安定性
当社の表では、VoxCPM 2とSuperClonicaの品質評価はどちらも5点満点中4.5点です。声色の安定性はVoxCPM 2が3.5点、SuperClonicaが5点です。
VoxCPMの開発元自身も、ボイスデザインと制御可能なクローンは実行ごとに結果がばらつくことがあると認めており、1〜3回生成してみるよう勧めています。予告編1本なら問題ありませんが、1人のキャラクターが何千ものセリフを話すゲームなら、固定の音声ファイルのほうが一貫性を保ちやすいでしょう。
VoxCPM 2を選ぶべき場面
CPUで、オフラインで、大量に、Supertonic 3の31言語のどれかで音声を作るならSuperClonicaです。次のような場合はVoxCPM 2が向いています。
- 中国語やその方言が必要。
- 広告、音楽、映像のために48kHzが欲しい。
- 説明文から声を作りたい、またはすぐにクローンしたい。
- 約8GB以上のメモリを積んだGPUがある。